「この世を去る前に、世界に少しでもポジティブさを加えたい。」

レンズの向こう、筆の先、ビートの中にあるもの——ジェイダーが語る、コラボレーションとカルチャーを通じた現代アートの再定義

Interview: Shahad Haddad

ジェイダーはロサンゼルスで生まれ、現在は日本を拠点に活動しており、アート、エネルギー、そして変容の世界をつなぐ存在です。大胆でありながらミニマルなタトゥースタイルで知られ、彼は感情的・精神的な重みを持つデザインを通じて、独自のクリエイティブな領域を築き上げています。動き、エネルギー、自己表現に対する個人的な探求から始まった彼の旅は、文化や分野を超えて人々に影響を与える実践へと成長しました。

この特別インタビューでは、ジェイダーがダンサー、デザイナーを経て人気タトゥーアーティストへと進化した物語を語ります。直感、静けさ、そして「フロー(流れ)」がどのように彼の創造哲学や個人的な歩みに影響を与えてきたかを振り返ります。また、彼の多文化的な背景やスピリチュアルな感性が、彼の描くすべての線にどのように反映されているかについても深く掘り下げます。

ジェイダーは、アートを癒しの力として捉え、内なるバランスの大切さ、自分自身の道を選ぶという静かな強さについて率直に語ります。肌に、音に、あるいは静寂の中においても、彼の作品は私たちに深く感じること、そして騒音の向こうにある「本当の自分」を思い出すことを促してくれます。

作ったものを三つの言葉で表すとしたら、何になりますか?

会話、ライフスタイル、歴史

これを作るきっかけは何でしたか?

幼い頃、私は漫画やアートにとても感銘を受けました。それが私にとって良い影響を与え喜びで満たしてくれました。人生において、私は多くの人と同じように困難や試練を経験しましたので、この人生を終える前にこの世に何か前向きな作品を残したいと考えました。

ジェイダーさん、あなたはエミー賞を受賞するなど、素晴らしいキャリアを築いてこられました。ご自身のクリエイティブなビジョンに本気で取り組もうと決意したきっかけとなった瞬間はありましたか?前進し続ける原動力となったものは何でしょうか?また、受賞歴のある映像アートからボディアートやその他の創作活動へと、どのようにして移行されたのですか?

A. 2001年4月、私はLAからパリへ旅行できる特別なグループに選ばれました。その時初めてルーブル美術館で芸術デザインをみました。私は、Otis College of Art and Designという大学で美術史の勉強に夢中になっており、ルーブル美術館でみたエジプトの美術コレクションをみた時、芸術は人類にとって真剣で重要なものであるという考えに心を奪われました。同時に私は選ばれたものであると感じ、芸術に人生を捧げようと決心しました。

B. 努力して美術学士号を取得した後に働いた初めての仕事を通してプロフェッショナルなデザインの世界に目を向けるようになりました。非常に高いレベルのアーティストやデザイナーに囲まれていた職場だったので、学ぶことも多く、自分のスキルアップとアートの様々な側面や媒体を探求する事に意欲的になりました。

C. 20年程に及ぶプロフェッショナルなキャリアを通して、写真撮影や絵画制作に時間を費やしてきました。これらのプロジェクトは無償で、モデル、ダンサー、パフォーマーとのコラボレーションを必要とする事が中心でした。そして12年くらい働いた後、私は学んだ全てのテクニックを組み合わせて大学の美術学部に進む前に思いついたジェイダイムズ(Jayderism)という芸術形式に集中する事にしました。 ジェイダイズム(Jayderism)はジャズサックス奏者として演奏するという以前の情熱から生まれたものです。ジェイダイズム(Jayderism)は本質的には曲線で構成された視覚音楽です。私はファッションと美容に夢中だった事から、写真とパフォーマンスアートを組み合わせる事にしました。その結果、身体表現、絵画、デジタルメディア、ストーリー、ファッション、サウンドを全て組み合わせて永遠の経験を生み出す事ができる多分野におけるエコシステムを生まれました。

途中でどのような困難に直面し、それをどのように乗り越えましたか?

A. 最初のチャレンジはアート作品を制作する時間を見つける事でした。 制作には時間がかかり、私はしばらくの間コマーシャル(広告)やその他のデジタルメディアの政策に完全に時間を費やしておりました。

B. 2016年に、Jayder作品の制作の為の予算と月間スケジュールを確保する事を決意しました。 この考えを実行する事が、長年にわたって作品制作を続ける上での鍵でした。多くの作品でパフォーマー、モデル、ダンサー、写真家、映画製作者とのコラボレーションが必要な為、これらの作品をコマーシャル用の顧客の仕事同様に扱う事が重要でした。自分のリズムをつかんだ後は、素晴らしい結果を得られる事ができました。

競争の激しい業界で確固たる地位を築かれていますが、現在の環境における最大の課題は何でしょうか?


社会的なプレッシャーがある業界全てにいえる事ですが、誠実かつ自然に考えて行動する事が大きなチャレンジです。

その課題にどのように適応し、前進し続けていますか?

テクノロジーは我々に創作活動を続け、作品を世に送り出すための手段を与えてくれます。 複数の媒体でアート創作できる事で、私は今の環境に適応して探求し続ける事ができます。

業界の最前線に立ち続けるには、才能だけでなく、マインドセットも重要です。日々の習慣やルーティンの中で、創造力を保ち、常に前進するために大切にしていることは何ですか?

私の朝の日課は読書、クラシック音楽、クリスタルシンギングボウル、ジムでのトレーニング、バランスの取れた朝食をとる事です。これらを楽しむ事で、私の心は遊び心に満ちて、前向きで鋭敏な状態を保つ事ができます。

音楽はクリエイティブな旅にどのような影響を与えてきましたか? 創作活動のエネルギー源となる音楽や、リラックスしたいときに聴く音楽について教えてください。

私は、映画音楽、ヒップホップ、サイバーパンクとエレクトロニック音楽に多大な影響を受けております。長年にわたって私に影響を与えてきた過去と現在の曲をいくつか紹介します。

The Social Presents: The Jayder という番組をホストされていますね。この番組について詳しく教えていただけますか?

ジェイダーイズム III コンターズ(Jayderism III Contours)は、美の明るい面と暗い面をテーマにしたショーです。このショーでは、写真のセレクションと、ジェイダーウェアを着た生きたアート作品、そして未来の SF にインスパイアされた音楽と現在と過去の音楽を紹介します。ジェイダーのアートワークは、ボディペイントされたモデルで構成されることが多く、ペインティング セッション中にその場にいる観客が 360 度方向からみたり、写真やビデオで撮影したりできます。このプロセスをステップアップするために、ジェイダーウェアは、くつろぎながらセクシーに見せたいと考える一般の人々が、瞬時にそのようになれるものを身に着けられるように作られました。

日本の読者の中には、自分の道を切り開こうとしている方々も多くいます。そうした方々に向けて、ご自身の旅を通じて学んだ最も大切な教訓を一つ挙げるとしたら、それは何でしょうか?

我々には責任を果たす責任がありますが、自分の本当の望みに従って日々努力すれば、その責任は果たされるでしょう。

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